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大転子高位の行方 2

頑張れ、東北人!   頑張ろう、日本人!





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去年の9月に“大転子高位の行方”という記事を書きました。

今日の記事は続編です。



9月の記事には次のようなことを書きました。


大転子高位に関する岡山大学整形外科の研究報告があるんですよ。
こんな研究でした

http://minds.jcqhc.or.jp/stc/0063/1/0063_G0000172_S0031024.html

・・・てなかんじ。



この記事の後、出版記念パーティーにも参加いただいた帝京科学大学の吉澤先生に連絡して文献を取り寄せました。

そして、その文献を大事に保管していました。



「保管してどうすんの!」・・・そうです、保管しててはいけません。



やっと読んでみましたので、要約を書いてみます。


「30歳代の先天性股関節脱臼後の変股症の検討」(Hip Joint 1995 Vol21)
 岡山大学整形外科 中塚洋一他

対象 先天性股関節脱臼患者40例(男性4例、女性36例)48股
   赤ちゃんの頃から30歳代までの追跡調査
   調査時年齢 30歳~39歳(平均35歳)

方法 子供の頃から30歳代までのレントゲン写真の関節症性変化を調べた。

結果
1、変形性股関節症病期は、前期36股、初期6股、進行期5股、末期1股であった。
初期以降の関節症性変化は12股に認められ、大転子高位は1股だった。

2、CE角10度以上の症例では変形性関節症変化は生じていなかった。

3、大転子高位は変形性股関節症への伸展要因と考えにくい。


この文献は、主に大転子高位についての追跡調査結果ではなく、あくまでも先天性股関節脱臼患者さんの追跡調査であること。
そして、子供の頃から平均35年間の先天性股関節症患者さんの追跡調査であること。

対象となった48股のうち、いわゆる変形があったのは12股で、そのうち1名だけが大転子高位であった。

この1人の患者さんはやや軟骨が少ない状態(初期)だった。

30歳代の先天性股関節脱臼患者さんの場合、CE角が10度以上あれば、関節に変形が生じていなかったということです。

また、大転子高位があっても変形の伸展(進行)要因ではない、とは言うが、この研究ではたった1例の大転子高位患者さんをもって“変形の伸展要因ではない”といっているので、信頼性は低いと感じました。


この研究の対象となっている大転子高位患者さんでは17歳時のレントゲンと35歳時のレントゲンにまったく変化が無かったのが、“大転子高位と変股症の関係はむしろ否定的である”という根拠になっているように感じました。




私の患者さんでは、40歳代の方、50歳代の方、60歳代の方で関節に変形の進行が無い大転子高位を示す患者さんがいます。



これは私見ですが、私の患者さん30名をみる限り、長期経過のレントゲン像に変化がないように思われます。
これらの患者さん達の過去のレントゲンがほとんど存在せず、患者さんの記憶に頼っていることが多いのですが、現在と未来の数年後の追跡調査はできるので、今後の資料(レントゲン)を集めてみたいと思います。



最後に60歳代の大転子高位患者さんのレントゲンを載せます。    
この方も先天性股関節脱臼経験者です。

大転子の位置が高めです。



しかし、関節の隙間はきれいです。
“股関節”は、この赤丸の中の関節の隙間の部分だけをいうのです。



大転子の形や大腿骨頭の形に変形があろうとも、関節の隙間が綺麗であれば、それは変形性股関節症とは言いません。


私は、大転子高位は変形性股関節症には含まれない、全く別の症状だと考えています。



この文献ではCE角と言う言葉が出てきますので、前の記事で“CE角”について説明してみました。


皆さんの様な“二次性”の変形性股関節症は、欧米人にはなく、日本人特有と言っても良い病気です。(正確にはモンゴロイドに多いと聞きます。赤ちゃんの時にお尻の上が黒くなる民族ですね。)

この文献の様に日本人の、それも経過を35年間も追跡した文献は非常に少ないので貴重で素晴らしい文献だと思いました。


私たちも皆さんの“経過”をしっかり追跡したいと考えています。

その為に銀サロでは、自転車通勤の禁止し、風邪ひきを禁止しています。
私達のケガや病気で、皆さんの経過を診れなくなることを一番気をつけています。



今後も、是非経過を追跡させてください!






変形性股関節症を怖がらないでね

{/kaeru