私たちは深圧という特殊技術で股関節を専門に施術しています

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痛みの不安心理 ~ネガティブ・プラシーボからの脱却~

 

もう3年前になりますが、NHKで「腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~」という番組が放送されました。

 

腰痛は「現代の国民病」とまで言われていますので、ご覧になって覚えている方も多いのではないでしょうか。

 

この番組では、慢性腰痛を例に、「脳」の働きの改善により痛みを克服する研究とその効果・実例を紹介していましたが、股関節症の痛みを克服してきたわたし自身の体験とも重なるとともに、松本深圧院でおこなっていることの正しさを確認することができました。

 

それに関連して、今回は脳の働きにも大きな影響を与えている「医学のペシミズム(悲観主義)」について焦点をあててみたいと思います。

 

医学的研究によると、呪いによる慢性病や衰弱死の背景には「不随意神経系の錯乱的な乱れ」のような、いくつかの生理的メカニズムが関与していると考えられており、例えば「ブードゥー死」(ブードゥー信仰の呪いによる死)は“否定的(ネガティブ)なプラシーボ反応”の究極の実例と言われています。

 

注)不随意神経系とは、「自律神経系」のことをさし、循環や呼吸、消化、発汗・体温調節、内分泌機能、生殖機能、および代謝のような不随意な機能を制御する。

 

【ご参考】 プラシーボとは? ☞ こちら

 

アメリカの著名な健康医学者であり、医学博士でもあるアンドルー・ワイルさんは、ベストセラーとなったその著書『癒す心、治る力』(角川文庫)で、このようなブードゥー死という究極のネガティブ・プラシーボ反応を例示しつつ、

 

『呪い現象を異文化に特有なものとして片づけるのはやさしいが、現代社会(注:出版当時は1995年)においても、病院・診療所・開業医などで同様な呪いが毎日かけられていることに、われわれは気づいていない』

 

と述べ、医学のペシミズムに警鐘を鳴らしてきました。

 

「悪化の一途をたどる」とか、「治ることは期待できない」「これ以上できることはない」といった言葉には、人間の自然治癒力を無視した「ペシミズム」を感じざるをえません。

 

ワイルさんは、最悪のケースでは医師のこうした態度は、いってみれば医療の「呪い」ともいうべき力を発揮することにつながってしまい、そんなことは医者として「恥知らずというほかない」とすら言っています。

 

冒頭で紹介したテレビ番組をみても、痛みに対する恐怖が痛みをさらに生み出していることがよくわかります。

 

したがって、

 

恐怖心をやわらげるための脳のリハビリ、

 

怖がらなくてもよいことを脳に教え込む、

 

という一種の心理療法がとても大きな効果を発揮しているのです。

 

心理療法というと、まるで上辺だけの対処で本質的な改善につながらないような印象をもたれる方もいるかもしれません。

 

ですが、そうではなく、痛みを過大視することなく、またむやみに恐れることなく、現実をそれ以上にもそれ以下にも受け止めることなく、あるがままに受け止める。

 

そのために自らの“認知”に働きかけることによって、心理的に誘発された“仮想現実的”な痛みを取り除くのです。

 

これは(番組でも紹介されていた)認知行動療法というものであり、日本ではうつ病治療のひとつとして近年とても活用されています。

 

認知行動療法とは、一言でいうと、

 

「認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種」です。

 

自分の認知(心のつぶやき=自動思考)に気づき、それが感情や行動にどう影響しているかを客観的に観察し、それが適切かどうか、役に立っているかどうか(妥当性と有用性)を検証することによって認知の歪みに気づく、別の見方を試してみるという療法です。

 

人は一生懸命に考えているようでいても、実は気づかぬうちに「ありのままの現実」から視点が離れてしまい、自分勝手に「仮想現実」を作ってしまいがちです。

 

わたし自身の股関節痛の経験にもあてはまりますが、気持ちが落ち込んでいる状態にあるときは、思考がマイナスの考え方に凝り固まり、そこから抜け出せなくなってしまいます。

 

すると、認知の歪みがひどくなり、非現実的な思考が発展してしまいます。

 

身体的な痛みによるマイナス思考が仮想現実的な痛みの世界を導いてしまい、実際には痛みが改善しているにもかかわらず、痛みを生じ続けさせているということは十分に起こりうることです。

 

そう考えると、認知行動療法が(身体的な痛みに対しても)効果的な療法になりうることは納得できますし、医学のペシミズムの代表でもある医療従事者の方々が(番組で紹介されているように)こうした療法の効果をうったえるようになったことは、非常に画期的なことだと思います。

 

対症療法を超えて「痛み」そのものに対して真摯に向き合うようになってきたことの証でもあり、今後、さらにこの流れが発展的に拡がっていくことを期待しています。

 

一方で、残念ながら、まだまだ旧態依然としたペシミズムに基づいた診療によって患者さんの将来の希望を失い、ネガティブなプラシーボ反応によって痛みを悪化させているケースが多いことも事実です。

 

当院では、痛みの原因・発生のメカニズムを正しく伝え、そして痛みが解消されるという将来への希望を感じてもらえるように施術にあたっています。

 

長期的な視点でのケアを考慮に入れながら、少しでも早期に深圧の効果を実体感していただき、脳に前向き・楽観な反応の芽を育てられるように尽力しています。

 

このテレビ番組で紹介されていたような最近の動向をみるにつけ、わたしたちの方向性が間違っていないことを確信しています。

 

そして、来院された方々へもっともっと安心感を与えていきたいという思いをより一層強くしている次第です。

 

 

2018年11月18日

 

 

 

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  1. 成田郁代 より:

    いつもありがとうございます。痛みが少しずつ少しでも和らいでいく、という希望を頂けることがとてもありがたいです。        

    • 小菅哲郎 より:

      私の拙いブログをお読みいただき、ありがとうございます。少しでも安心と希望を感じていただいていることが嬉しいです。これからもどうぞよろしくお願い致します。