変形性股関節症との共生
深圧施術が会社法人の事業として提供されるようになってから今年の10月で20年を迎えます。
創業者である松本総院長が深圧を生み出して個人として手掛けるようになってからはもっと長い歴史がありますが、全国の股関節痛に苦しんでいる方々を救いたいという思いのもと、会社法人として、深圧に賛同してくれる同志を集って事業を展開し始めてから20年を迎えたことはとても感慨深いです。
当時、わたしはまだ松本先生の深圧施術を受ける患者でしたが、その後、事業運営をお手伝いするようになり、そして会社の運営を司る立場へとなりました。
昨今、股関節痛、変形性股関節症に対する治療方法も様変わりしてきたように感じています。
わたしが変形性股関節症と診断された10代の頃、手術療法としては「骨切り術」が主流でした。
当時も人工股関節置換術は行われていましたが、それほど長持ちしないということで、10年~15年のうちに再置換しなければならないだろうと言われていたこともあり、するのであれば年をとってからという考え方が一般的でした。
実際、わたしが医師よりすすめられたのは臼蓋(きゅうがい)回転骨切り術であり、大学生のときに同手術を受けました。
ちなみに、現在は「臼蓋」ではなく「寛骨臼」と言うようになったようで、寛骨臼回転骨切り術と呼ばれているそうです。
英語名の略称RAO(Rotational Acetabular Osteotomy)と呼ばれることも多いですが、骨盤の臼蓋を球状にくり抜いて回転させることで、大腿骨頭の屋根を深く作り直す手術です。
術前は股関節に痛みはなく、ほぼ正常な生活をおくることができていた自分にとって、術後から本当の意味で股関節痛・変形性股関節症との共生が始まりました。
本ブログに個人的な体験記をシリーズとして記載していますので、もしご興味おありの方がいらっしゃいましたらご覧ください。
こちら ☞ 変形性股関節症患者としての体験記(その1)
術後約10年で症状が急激に悪化し、変形性股関節症の末期と診断されて将来の不安と痛みに苛まされる日々を経て深圧(松本先生)と出会い、保存療法の道を選択して現在に至ります。
当時と今とでは、治療法の選択肢、技術革新、治療に対する情報量が圧倒的に異なります。
もし今この時代にわたしが変形性股関節症と診断され、実際に痛みに苦しんでいたら、人工股関節への置換を選択するかもしれません。
痛みがあることが一番辛いですし、股関節は上半身の体重を支えながら人が動くことを可能にする体の中で最も大きくかつ重要な関節です。
そこに痛みや機能的な支障があれば、動くことができなくなります。
そんな辛い状況から逃れる術があれば誰しもすがりたくなるでしょう。
とは言え、繰り返しこのブログでも書いている通り、股関節の状態・歴史、痛みの症状は人によって様々であり、ある一つの療法がすべての人にとって有効というわけではありません。
その人の生活環境、年齢、股関節や身体的特徴、股関節痛が発症した経緯及び経過などなど、様々な実情を考慮する必要があると思います。
何よりも、その人がこれからどのような生活を送りたいのか、言ってみればどのようなQOL(Quality of Life)=「生活の質」を求めるのかによっても、取りうるべき療法は変りうると思います。
わたしの場合、先天性の臼蓋形成不全、自骨の手術、関節自体の変形期(炎症期・痛みの最大期)を経て、股関節自体は安定期に入りました。
今でもレントゲン上では「末期」ですが、このような過去を経ての「いま」があります。
遠距離通勤の仕事を続けながら(負担をかけながら)の日々でしたので苦闘しましたし、改善までに時間はかかりましたが、結果的には、末期と診断されたときに保存療法を選択したことはよかったと思っています。
医療(整形外科)にのみ頼っていた頃は、変形性股関節症や股関節痛は骨・関節自体の問題だと思っていました。
ですが、深圧と出会ったおかげで、筋肉などの軟部組織について学び、身体の治癒についての考え方が変わっていきました。
部分的なとらえ方をするのではなく、統合的に見られるようになりました。
そして何より、人間には自然治癒力が備わっていることを実感しました。
前述の通り、わたしの現在の股関節自体は医療の常識では「末期症状」ですが、これまでのレントゲンをずっと見てくると、臼蓋回転骨切り術によって増やされた屋根(臼蓋)の部分は、術後当初は屋根がトゲのように外側へ飛び出ているようでしたが、その後、厚みを増して自然な形におさまっていきました。
足りないところを自然治癒力で補っていってくれたとしか思えません。
すごいです。
痛みに向き合いながら心身の相関を知り、人間の体の自然治癒力に気づき、痛みを克服するために様々なことにトライしてきた時間はわたしにとっては貴重な財産です。
できれば一生自骨のまますごしたいと思いますが、もしかしたら将来また状態が変わってくるかもしれません。
その時は、人工股関節を含めて、その時に最良を思われる治療法を選択したいと思っています。
深圧は股関節痛を改善させるための一つの手段・選択肢です。
深圧がすべてを解決してくれるわけではありません。
わたしにとっては、深圧は(施術療法というより)自分の股関節の状態、痛みの原因について正しい理解を得るための考え方としての影響の方が大きかったと思います。
それがあったからこそ、深圧を信じて受け続けることができたし、他人任せではなく、一生この病気と上手に付き合いながら生きていく(セルフケアをしていく)覚悟ができたと思っています。
もしこれからどのような治療法をとるべきか悩んでいる、自分の股関節痛の本当の原因を知りたいと思っている方がいらっしゃいましたら、ぜひ松本深圧院へご相談ください。
とくに初回は問診中心のカウンセリング的な機会となりますので、経験豊富な深圧スタッフたちが皆さまの股関節の”歴史”をお伺いしながら、痛みの状態をチェックし、その人にあった治療法やセルフケアのアドバイスをさせていただいています。
時代が変わっても根本的なことは変りません。
様々な治療法や情報が溢れる中で、痛みの正しい原因を突き止め、最適な治療法を患者さん自らが選択できるようにサポートしていくことがわたしたち松本深圧院の存在意義でもあります。
2026年6月14日
遠江国一宮 小國神社の菖蒲園

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